100歳まで表彰台を目指せる社会を
フィギュアスケートの強い足腰を作るノウハウで実現

私はフィギュアスケート選手です。19歳の時に椎間板ヘルニアになったことがきっかけで、アメリカに留学しスポーツ医学を勉強しました。その後、世界中のスケート選手の足の問題解決に取り組んできました。

コロナ禍で出歩くことが減り、筋肉の衰えを感じる方も少なくないと思います。
そんな中、81歳の母が横断歩道で足を捻挫しました。足をかばって膝が痛くなり、足を引きずって歩く日々が続きました。整形外科では変形性膝関節症と診断され、湿布と痛み止めを処方されましたが、1ヶ月経っても痛みが改善しませんでした。
そのため、母から「スケート選手に提供しているAI歩行分析をやってほしい」と言われました。母は運動がはあまり得意ではなく、内科の疾患で痩せ、筋肉も落ちています。ですから、選手向けの怪我復帰プログラムをやっても効果はないだろうと思っていました。
ところが、AI歩行姿勢分析で、すり足歩行、股関節やお尻の筋力の低下、猫背などの分析結果が出ると、母は足の筋膜リリースを毎日実施し、オーダーメイドのインソールや足をサポートする靴を使ってスクワットのトレーニングを始め、一週間後には膝の痛みもなくなりました。
今では猫背を改善して美しい姿勢を目指し、毎日40分ウォーキングもしていますが足首も膝の痛みもありません。

スポーツ選手の怪我予防と同様、医療では高齢者の歩行力低下の予防や、怪我の後の快適な歩行といった問題が完全に解決されるまでの復帰プログラムはありません。
リハビリや機能訓練は指導者の裁量で行われ、体力・歩行測定もアナログで実施、歩行測定も、測定する人によって計測方法や解釈が変わります。そのため、様々な専門家が異なったアドバイスをし、足腰や靴の悩みを解決できず、問題解決に至る前に痛みや違和感の改善をあきらめてしまいます。

当社がAI歩行分析支援システム「Senno Gait®」（セノゲイト）を活用し始めたきっかけは、私自身の経験からスケート選手に、最も負担がかかる「足」について科学的に理解させ、怪我予防やパフォーマンスを人間の土台となる足に注目し、解決してもらいたいと考えたことでした。そして、選手を取り囲む指導者、医師、家族、スケート靴販売員やトレーナーなどに「足や歩行の共通言語」を提供するためのツールとしてSenno Gaitを導入しました。

超高齢社会の日本では、介護業界でもDX・AI化が求められています。しかし介護ロボットを開発・使用する目的は、AI測定をすることではなく、測定結果を用いて、介護に携わる様々な役割の人たちの視点で、どう高齢者の歩行や足腰の問題を解決するかを考えることです。
足や靴の問題を解決する一つの手段として、運動が苦手な人でも、靴に装着するだけで足のアライメントを改善できるオーダーメイドインソールを製造し、提供するのが当社の主たる仕事です。
ビジネス創出のためにニーズを探し、世界から後れを取っている国内のIT技術でのAI化やDX化、また介護業界に参入し、新たなアプリやシステムを作り出して販売する企業と当社では、存在意義が全く異なります。スポーツ選手も高齢者も、足を土台とした問題解決を科学的に行なうために、フィギュアスケート選手の強い足腰を作るノウハウと、世界最先端のAIツールを使って測定した結果を用いて対策を提案し、「100歳まで表彰台を目指せる社会」を実現することが当社の使命です。

SK8INSOLL株式会社 代表